よく尋ねられるのが「お仕事は?」 「靴を作っています。」
「凄いですね。注文靴ですか?」
「えーと、注文靴ではなくて製甲といいまして靴の上の部分を作ってます。」
「製甲ですか・・・???」
ということで今回「製甲とはなんぞや?」にお答えしたいと思います。
既製靴の製造は分業化になっており「裁断,製甲,底付け,仕上げ」に分けられます。
裁断屋さん(メーカー)からこのように裁断された革が製甲屋さんに届きます。
これで表と裏の1足分となります。
革漉き
革漉機で折り込みや貼り込みをするために革を薄く漉きます。
ラバー塗り
折り込みや裏貼りのためにゴム糊を塗布します
切り込み
カーブの部分は、包丁で切り込みを入れます。
折り込み
薄く漉いた革の端を折り返していきます。
縫い割り
かかとの部分をミシンで縫い合わせます。
馬という道具の上で縫い割り部分を
平らにしていきます。
縫い割テープを貼り補強します。
上げミシン
裏革を貼り18種というミシンで縫っていきます。
さらい
市切りという道具で余分な裏革を切り取ります。
ヌキで穴を開けておきます。
ベロを縫いつけ貼り込み部分に接着を塗布しておきます。
前の部分を貼り付けミシンを掛けます。
裏革をさらって製甲(アッパー)の出来上がりです。
ここで製甲屋さんの仕事は終わりです。
次に底付け屋さんにバトンタッチとなります。
製甲とは、主にミシンなどを使って裁断された革を縫い合わせて
靴の甲の部分(アッパー)を作ること、あるいはその出来上がった
アッパー自体のことを製甲と呼んでいます。
このような説明で少しはご理解して頂けたでしょうか?