2011年10月22日土曜日

製甲ってなに?

よく尋ねられるのが「お仕事は?」   「靴を作っています。」

「凄いですね。注文靴ですか?」 

「えーと、注文靴ではなくて製甲といいまして靴の上の部分を作ってます。」

「製甲ですか・・・???」     

ということで今回「製甲とはなんぞや?」にお答えしたいと思います。
 
既製靴の製造は分業化になっており「裁断,製甲,底付け,仕上げ」に分けられます。
 
                                      
裁断屋さん(メーカー)からこのように裁断された革が製甲屋さんに届きます。
これで表と裏の1足分となります。


革漉き
革漉機で折り込みや貼り込みをするために革を薄く漉きます。



ラバー塗り
折り込みや裏貼りのためにゴム糊を塗布します


切り込み
カーブの部分は、包丁で切り込みを入れます。


折り込み
薄く漉いた革の端を折り返していきます。


 縫い割り
かかとの部分をミシンで縫い合わせます。


馬という道具の上で縫い割り部分を
平らにしていきます。


縫い割テープを貼り補強します。



上げミシン
裏革を貼り18種というミシンで縫っていきます。


 
さらい
  市切りという道具で余分な裏革を切り取ります。


ヌキで穴を開けておきます。


ベロを縫いつけ貼り込み部分に接着を塗布しておきます。


前の部分を貼り付けミシンを掛けます。


裏革をさらって製甲(アッパー)の出来上がりです。

ここで製甲屋さんの仕事は終わりです。
次に底付け屋さんにバトンタッチとなります。

製甲とは、主にミシンなどを使って裁断された革を縫い合わせて
靴の甲の部分(アッパー)を作ること、あるいはその出来上がった
アッパー自体のことを製甲と呼んでいます。

このような説明で少しはご理解して頂けたでしょうか?